細田千尋准教授らの研究グループによる研究成果が、2026年5月25日付で国際学術誌『Scientific Reports』(Nature Portfolio)に掲載されました。
脳MRI研究では、解析に必要な被験者数を十分に確保することが難しく、少人数のデータで解析を行うことで研究結果の再現性が低下する「再現性危機」が課題となっています。特に、脳画像データに対する主成分分析(PCA)では、サンプル数が少ない場合に解析の基盤となる固有ベクトルが不安定となり、その後の研究結果にも大きな影響を与えることが知られています。
本研究では、この課題を解決するため、「大規模データから得られた固有ベクトルを小規模データの解析に活用する」という実践的な手法を提案しました。
1,113名分の脳画像データ(Human Connectome Project)を用いた検証の結果、100名規模の小規模データであっても、500名規模の大規模データから得られた固有ベクトルを利用することで、認知能力や性格特性を予測する精度が大きく向上することが明らかになりました。
本成果は、十分なサンプル数の確保が難しい研究機関においても、公開されている大規模データを活用することで研究の信頼性を高められる可能性を示すものです。今後、脳画像研究をはじめとするデータ解析分野において、新たな研究設計の指針となることが期待されます。
【掲載論文】
タイトル:Large-sample PCA eigenvectors stabilize cortical thickness
components and improve small sample brain behavior prediction
著者:Zhang Yun Feng, Kenchi Hosokawa, Chihiro Hosoda
*責任著者:東北大学大学院情報科学研究科・加齢医学研究所 准教授 細田千
尋(ほそだ ちひろ)
掲載誌:Scientific Reports
DOI:https://doi.org/10.1038/s41598-026-52800-4
URL:https://www.nature.com/articles/s41598-026-52800-4
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